君麻呂との闘いの後、疲労し消耗しきった身体を木陰で休ませる二人。

リーは完全に眠ってしまったのか静かな寝息が我愛羅の耳に届く。
そっと隣りへ視線を向ければ幹に凭れきった身体はずり下がり、随分と座高が低くなっていた。
艶やかな黒髪が時折吹く風に揺れ、綺麗にそよぐ様子になぜか胸が騒ぐ。

「………」

自然と手を伸ばしそうになっている自分に驚き、我愛羅はそれを否定するよう手の平を握り締めた。
投げ出されたリーの脚はすらりと細長く、彼を一層華奢に見せ、とても儚い物に感じさせるのだった。







我愛羅side.



上下する薄い胸。血の滲む左腕。丸い頬。ふっくらとした小さな唇。
唇に視線が行き着いたところで目が離せなくなった。
近付いてみる。そっと。
見下ろせば、リーの顔に濃い影が出来た。
それなのに深く眠るあどけない寝顔に苛立ちを覚える。

(コイツ……こんな事で忍が勤まるのか…?)

顔を近づけてみれば吐息が頬に触れた。
唇が……舌を伸ばせば触れてしまう程近付いているのに。

リーは目覚めない。

間抜けだ、とオレは思った。
思ったと同時に愛玩動物を自分の庇護の許に置き、眺め、
手を伸ばして時折愛撫して可愛がりたい気持ちを何となく理解した。

オレはすっかり乾いてこびり付いているリーの口元の血から目が離せないでいる。

また、胸が騒いだ。

知らず息を潜めている自分に気付き、滑稽だと感じた。
熟睡している相手にも拘らず、気取られまいと神経を尖らせてオレはコイツに何をしようというのか。
そう思うが早いか、身体は別の意思に動かされてでもいるようにゆっくりと舌を伸ばし、それを舐めていた。

リーは目覚めない。

舌先に感じるザラ、とした感触は不思議と不快ではなかった。
不快などではなく、むしろ……、

(……………………)

酷く、胸が騒いでいる。

この感情の名をオレは知らない。
口内に広がる鉄の味を、リーの血の味を甘いと感じてしているこの不可思議な感情の名など。

汚れを綺麗に舐め取ってやり、身を離して再び唇を見下ろす。
ちいさなくちびる。子供のような寝顔。
オレの中に優越感と……罪悪感のようなものが生まれる。

リーは目覚めない。

風が吹き、それを心地良く感じた。
体温が上がっているのを自覚する。
鼓動が、早い。

(俺は……何を高ぶっている?)
(分からない……)

リーは目覚めない。

(まだ……目覚めなければいい)

願うよう強く思った時、優越感も罪悪感も覆い尽くす感情の波に呑まれ、オレは心の命じるままリーの唇に、唇で、触れた。
触れたらその柔らかな感触を記憶に刻みつけたくなり、そっと食んだ。

「……ん…、」

漏れ出た吐息に胸が熱くなった。
唇を塞いだまま、リーに訪れるであろう目覚めを思い、その瞬間を見逃すまいと見つめる。
至近距離のブレる視界の中でゆっくりと瞼が押し上げられるのを見守った。
口付けを解き、覆い被さっていた身を起こす。
こちらを見つめる漆黒の双眸は美しかった。
深い……深い湖面を連想させ、揺らがない瞳に焦れる。

「……何故…、」

オレは訳の分からない苛立ちに任せて呟いていた。

(何故、拒まない)
(目覚めと同時にオレを突き飛ばすぐらい可能だった筈だ)
(何故、許した)
(ほんの僅かな時間だが、意識を取り戻したその間、唇を好きにさせただろう)

「何故だ。答えろ」

リーの唇を奪っておいて随分勝手な言い草だとは思うのに止まらなかった。

(こんな事はお前にとって拒む程の事ではないのか……?)

そう思うと堪らなかった。
御しきれない感情の波に今にも呑まれそうだ。
俺の固い声に気付いたのか、波紋が広がるようにリーの瞳が揺れ、眼差しが心許無げに彷徨う。

「わかりません……」

戸惑った声。
急激にリーの頬が朱に染まり、オレから顔を背け拳を握り締めて小刻みに身体を震わせ始めた。

(動揺……しているのか?今になって?)

おそるおそる、唇に指で触れ、そっと辿っていく。
その傷だらけの細い人差し指を唇の隙間に押し当て、やがてリーは俯いた。



俺はその仕草を酷く性的に感じ、喉を鳴らした。






接吻





























『じれったいのがイイッ!!』と思う。けどっ!
『おまいら早く合体しちゃえよ^q^』とも、思う(台無し)
そんな感じでですね、二人のはじめてのちゅーを妄想してみました^^
アタマわいてます^^^^(いつもです)

我愛羅は多分この後、自分の身に起こった性的衝動を冷静に受け止めて、
真剣に対処法(…?)を考えてお勉強を始めます。
ある程度知識が備わった所で実技に移ります。
勤勉ですね^^さすが将来里を背負う男です^^^^
徹底的に学び、完全にマスターして、そこでやっとリーを手に入れようと動き出します。
男の子ですね^^好きな子には完璧で格好良い自分しか知って欲しくないんです^^^^若いなーv

我愛羅はちっさくても『雄』ってゆーのがガツン!とキます(乙女回路に)
そしてリーは年上なのに我愛羅より性的に未成熟な部分が有る方が萌えます!かわゆい^^^^
我リーいいな!我リー最高だなっ!!
なんで流行んないかなー??本気で分からんっ(こわいぐらいまがお)

………と、色々言いましたが、とにかくっ!!(クワッ)

我愛羅お誕生日おめでと〜〜〜〜っ^^^^^^^/

この散文少しもお誕生日成分含んでないけど; 2011’我誕更新その3でした〜☆
本当は漫画で描けたら良かったんだけど手前にはムリでした★(死ーん)


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